人材育成研修で主体的に行動できる人材育成と問題解決能力のある組織づくりを関西から支援します。内閣府認証NPOとして約16年間、関西(大阪・京都・神戸)を中心に、人材育成研修をカスタマイズで提供して来ました。現場が変わる部下指導、人材育成研修を実施します。

自立を促す14の習慣

自立を促す14の習慣について

組織、職場の悩みの解決法は、自立の意識でしょう。

自分が「よかれ」と思ってしたことがうまくいかない、価値観の違いは当然だとわかっていながらも苦しい、そんな悩みを人は抱えて生きています。
組織の中でのよりよい人間関係は、
①  個人を尊重し、
②  自分と他人との違いを認め、
③  他人への責任転嫁(他責)をせず、
④  しっかりと「自立」すること
から生まれます。
人材育成でめざすのは、個人の自立と、組織の自立。
自立した人たちが集まって集団になり、認め合い、尊重し合い、《みんなが気持ちよく生きられる社会》を実現すること。その上で、永続的な結果が生まれ、組織も利益が上がります。

その自立を促すために、私たちが基本にしているものが、「自立を促す14の習慣」=「自立型支援方法」です。
自立型支援方法は、人が、自分の仕事・役割・立場を自ら選択しているという自覚と責任を持ち、自分の人生を自分の選択によって生きていく自由を持つための指針です。


「自立を促す14の習慣」PDF版です。ダウンロードしてご活用ください。

自立を促す14の習慣


自立とは?

「自立」とは
  自らの人生や仕事において、「自分が選択している」という意識があり、
  その選択に責任を持っていること。
 
「自立した人」とは
  一人ひとりが自分で考え、壁を乗り切る力を身につけていること。
  何か問題が生じたとき、他人への責任転嫁(他責)ではなく、
  つねに当事者意識を持ってあたれること。
 
「成熟(自立)した組織」とは
  組織自体に問題解決する能力があり、協働の雰囲気を大切にし、
  必要なときに改善に向けて話し合う力があること。 
  一人ひとりの力が十分に発揮されていること。
喜田菜穂子 定義

自立を促す14の習慣

『自立』を促すための 14の習慣 《自立型支援方法》



【自立の定義






  1. 私は「人はいつも最善を選択している」という前提で人と関り続ける。詳細




 
    2.私は自分の思い込みを一旦はずし、そのままの相手をしっかり受け止める。詳細




 


  3.私は相手が尊重されていると思う聴き方をする。詳細




 


  4.私は相手の中の答えを、効果的な質問で引き出す。詳細




 
    5.私は評価的な表現でない言葉で相手を承認、認知する。詳細




 


  6.私はコミュニケーションの意図について、いつも意識を向ける。詳細




 


  7.私は自分の成功体験、情報を押し付けにならないように提案する。詳細




 


  8.私は「他人の能力、可能性は決められない」ことを知っている。詳細

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  9.私は過去と他人は変えられない、人はみな違う
(人は見たいようにみるし聞きたいように聞く)ことを知っている。詳細

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  10.私は人間関係を破壊する7つの習慣を使わないように意識する。詳細
 ①批判する ②責める ③がみがみ言う
 ④文句、苦情を言う ⑤罰する  
⑥脅す
 ⑦コントロールするために褒美でつる




 


  11.私は信頼関係を構築するために、いつも安心感のある安全な場を作り出す。詳細




 


  12.私は相手を常に勇気付け、責任を取る権利を奪わない。詳細




 


  13.私は失敗したと感じることも、常に学びの種に変える。詳細



 


  14.私は、いつもどのような時も、自分が世の中に必要な存在であることを知っている。詳細

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人財育成研修 自立型コーチング


自立を促す14の習慣 その1

 私は「人はいつも最善を選択している」という前提で人と関続ける】

人材育成で重要な、当事者意識を育てる(自立を育てる)には、どのようなスタンス、向き合い方で部下を見たらよいでしょうか?
人は、過去において、どのような場合も「その人にとっての最善の行動」を選択しています。
結果的に失敗だったとしても、その行動を選択したときは、これが一番良い方法だと思っています。
私たちが集団で仕事をしていると、誰かの行動によって、何かうまくいかない状況が起こると
「あの人が間違ったことをした」と責めたくなります。
しかし当人は、そのとき「うまくいく」と思って行動していたはずです。
人は、ものの善悪や法律的な良し悪しだけではなく、何らかの理由(潜在的な理由や、顕在的な理由)で物事を選択し、行動しています。
よりよい人間関係を築き、指導を成功させるために、相手の「ここに至るまでの選択」を否定せず、相手を受容してから関わります。
「理解できない」と思っていたのを、
「事情があったのかもしれない。この人なりのやり方なのだろう」と受け入れる。
お互いが、対立する心の位置から、一緒に未来を見る隣同士の心の位置に変えて関わることから始めましょう。
そのスタンスをとることで、相手は私たちに心を開くことでしょう。
 
【ポイント】人間関係構築の流れ
1.         その人と人間関係を築く選択をする。
2.         その人は、「今まで最善の選択をしてきた」と受け入れる。
3.         信頼関係が構築され、心を開いてもらえる。
4.         改善のための話し合いや、支援ができる。
 
【エピソード】「私が正しい!」からシフトする
あるセミナーで、40歳くらいの男性マネジャーが愚痴をこぼしました。
「私は正しいことを言っているのに、メンバーは私を理解してくれない。明らかに相手が間違っている。この組織には能力のある人が少なくてイヤになる」。
よくあるお話です。きっと、この人は間違っていないのでしょう。相手が間違っているのかもしれません。
しかし、相手も、何十年という人生の自分の経験や知識、さまざまなことから「今」に至っています。相手を正すために「間違っている」と言うことは簡単ですが、それでは前に進めません。
セミナーの回を重ねるうちに、彼は過去にあった、ある経験を思い出しました。「人はいつも最善を選択している、という前提で人と関り続ける」をあのとき上司にしてもらっていたら…。
今の組織に入る前、彼は大企業に勤めていました。入社10年目のあるとき、大きなミスを犯し、上司からとても責められたそうです。これが原因で昇進が遅れ、居づらくなり、結局、会社を退職したという経験がありました。
「誰もミスをしたくてしたわけではない…」
仲のよい同僚に、その頃言い続けていた言葉です。
その時の上司が、たとえ大きなミスでも、自分を否定せず受け入れ、そこから支援してくれていたら会社を辞めることもなく、未来に向ってやる気が出ていたかもしれない。
そう気づいた彼に、変化が現れました。その後、彼はメンバー1人ひとりを尊重し、丁寧に関わることを決めました。最近では、メンバーが彼の意見をしっかり聴いてくれるようになり、みんなで改善のための話し合いができるようになってきたそうです。
 
   

自立を促す14の習慣 その2

【私は自分の思い込みを一旦はずし、そのままの相手をしっかり受けとめる】

人材育成で重要な、当事者意識を育てる(自立を育てる)には、どのようなスタンスで部下を見たらよいのか、
私たちは、思い込みで人と付き合うことが多くあります。
「この部下は○○な環境で育っているのでそうに違いない」
「この職業の人は○○な性格が多い」
特に組織の現場であれば、
「この人の性格は○○だから言ってもわからない」
「あの人は性格が暗い」
「あの人は頭が固い」 など。
それは事実かもしれません。
しかし、私たちが相手と信頼関係を築こうとするとき、この思い込みは邪魔になる場合があります。
「この人はこんな人であろう」から始めず、「思い込みかもしれない」と思って相手を見るだけでも、
のびのびと、部下の力を発揮させる環境、関係を作るとき、上司にこの見方があれば、
きっと変わってくるでしょう。それが、上司と部下にとって、信頼関係の第1歩となります。
 
【エピソード】ロックンローラーは、だめなやつ?
ある列車のなかでのこと。乗客は少なく、立っている人がばらばらといるくらい。
20歳前後の青年が、黒い皮のジャンバー、派手なズボンをはき、武器のような飾りの付いた靴をはいていました。アクセサリーも不気味に光る銀色で、耳にピアスを数個、眉のピアスまでしていて、ちょっと怖いロックンローラーの雰囲気。
彼は思い切り通路に片足を投げ出し、腕を組み、座っていました。揺れる通路を歩けば、乗客が彼の足につまずいて転ぶ危険がありました。
私は、「なんて行儀の悪い、常識がない青年だろう。やっぱりあんな格好をしていると、心まで殺伐とするのかしら」と思いました。
ところが、ある駅で、彼が降りようと立ち上がった姿を見て愕然としました。彼は曲がらない足を引きずって、ゆっくり通路を歩いて降りていったのです。
彼は足が不自由だったのです。たとえ通りすがりでも、「行儀の悪い人」というレッテルを貼ったのは、本当に申しわけなかったと、今でも胸が痛みます。
 
   

自立を促す14の習慣 その3

【私は相手が尊重されていると思う聴き方をする】

人材育成のための自立型コーチング(自立を促す14の習慣)では、心を開いてくれる関係づくりとして、
部下や後輩が「この人は、私の話をしっかり聴いてくれているな。
理解しようとしてくれているな」と感じてもらえるような聴き方(傾聴)を大切にします。
例えば、部下や後輩の話を自分の価値観や評価軸に当てはめて、
評価・判断しながら聞いてしまうと、内容の良し悪しは別として、
相手には、自分の思い(存在も含め)を受け取ってもらえた満足感は生まれません。
「この人は私の話を大切に聴いてくれる」
「私の話に関心を持ち、思いを聞いてくれる」
「大切に聴いてもらっているということは、私 の事も大切にしてくれているのかもしれない」
と感じた部下は、
上司が自分を大切な「人」として認めてくれているのではないかという感情が生まれ、
「私はこの場所で必要とされているのかも」
と自尊感情(自己肯定感)まで高まるでしょう。
自己肯定感が育っていけば、自己成長の過程で重要な自分の未来を信じて頑張っていこうとする自己効力感も育っていく事になり、
組織の一員として自覚も生まれやすくなります。
上司として、部下の育成を目指すのであれば、部下の思いをまずは受け取ったうえで、助言、提案、判断をしたいものです。
傾聴は、部下の持っている情報を受け取る、知るだけではなく、
部下との信頼関係、部下のメンタルを支える機能も果たし、人材育成の場面で、上司としてなくてはならない技術と言えます。
 
【エピソード】キャッチボールとドッジボール
ある出張で、長距離列車に乗りました。
50代後半と思われる女性のグループが、斜め前の4人がけの座席に座り、それぞれに自分のことを話し、笑いながら過ごしていました。少し大きめの声だったので、会話の内容が聞こえてきました。
そこで面白いことに気づきました。
「会話は成り立たなくても、人は楽しく過ごせる!」
 と。
4人はそれぞれが好き勝手なことを言い、相手の話に自分の意見を返すこともなく、まったく違う話を返し続ける。言葉をボールだとすると、まさにドッジボール状態。キャッチボールではなく、自分のボールをぶつけ合う状態です。自分の話したいことを話せて、全員がスッとしたようすは印象的でしたが、お互いが尊重し合えるような深い会話ではありませんでした。
日常、私たちが「どれだけ相手に話を聞いてもらえてないか」を垣間見た時間でした。
 
   

自立を促す14の習慣 その4

【私は相手の中の答えを、効果的な質問で引き出す】

人は本能的に、質問されたことに対して考える習性があります。
ということは、部下にも優れた質問をすれば、考える場を作り、優れた答えを引き出すことができるということです。
質問されたことで、部下は答えを見つけることで自分を確認し、可能性を見出し、
自分のうちにある本当の価値観、大切にしたいこと、問題の解決方法、対策、そして、めざす方向を発見します。
そして質問の方向によっては、自分を守るための言いわけや弁解を考えたりします。
「聴く」(自立を促す習慣 その3)と同様に、質問する場合も、「自分のためのもの」と「相手の未来のためのもの」があるので、
質問する側は、「今、誰のために質問しているのか」を認識しておくことが必要です。
人材育成のための自立型コーチング(自立を促す14の習慣)は、
「本質的に、部下がどうなりたくて今悩んでいるのか」を明確にすること、
そして、部下の今からの選択を納得のいくものにするという「部下の主体性が発揮された自立」が目的です。
そのためには、潜在的に望んでいる状態を確認する質問が必要となります。
部下が悩んでいるということは、「悩んでいない状態」を潜在的に知っているということなので、それを質問によって引き出すのです。
その次に、どのような行動や考え方を選択、実行すれば前進するのかを、明確にし、支援していきます。
ただし、型どおりの質問の言葉を投げればうまくいく、というものではありません。
上司である私たちが、相手の良くなりたいという気持ちに焦点を合わせ、
相手の味方になる気持ちを大切にしなければ、逆効果になります。

【ポイント】質問の種類
1.「はい」か「いいえ」で答える質問
・確認のための質問。質問する側が選択肢を用意し、相手がどちらかに決めるきっかけをつくる。
2.答えが決まっていない質問
・何が、どうなりたい、何を、なぜ、どこに
・いつ、誰と、どのようにして、など
・答えが決まっていないので、じっくり考えないと答えが出てこない場合もある。これらは、無意識にある知恵や、経験・答えを出す「場」をつくる質問。
【ポイント】質問するとき
1.「本質的に得たい未来をつくり出すために、あなたはどうすればよいか」に焦点を合わせて質問する。
2.どのように質問すれば、相手の「今ここの状態」から納得のいく行動と思考が生まれるのかを意識し、詰問にならないようにする。
 
   

自立を促す14の習慣 その5

【私は評価的な表現でない言葉で相手を承認、認知する】

自立した人材を育成するためには承認、認知は必要です。
しかし、自立を促す習慣の「承認・認知」とは、部下を褒めることではありません。
もちろん、褒める事を否定するわけではなく、心から褒める気持ちが湧いた時は自然に伝えたら良いでしょう。
しかし、それ以上に大切なことは、この「承認、認知」です。それは、相手を尊重し、受け入れ、相手から伝わってきたものに対して、
事実を曲げることなく、関わる側がプラスの方向で捉え、相手に誠実に伝えることです。
これを実践することで、相手は自分のなかの「力」を過不足なく確認し、
自信を持って未来に向って進むことができます。

≪事実承認≫
部下の貢献している行動、成長した点を小さなことでもよいので、事実として観察し伝えること(日常の観察が必要)

≪存在承認≫
部下に挨拶をしたり、話をするとき、注意以外の会話でも名前を呼び、存在を認めていることがわかるように声をかけること
ありがとうなどの感謝の言葉もこれにあたる

≪過程承認≫
結果が出るまでの頑張りを「認め、言葉をかけること(日常の観察が必要)

≪結果承認≫
結果が出た時、褒め、認め、声をかけること

部下の成長のために必要なものは、部下自身の「自立の意識」を育てましょう。
「今の自分を明確に自覚し、未来に対する自分の可能性に目を向ける」ことから、自立は始まります。
言葉だけでなく、部下の存在、悩んでいることもすべて含めて、相手を認めていく「承認・認知」が大切です。
言葉だけでなく、関わる側の思考をプラスに変えて相手を見るだけでも、部下は自信をつけ始めます。
自分を好意的に成長を支援してくれる上司から発する雰囲気は、しっかりと伝わるものです。
しかし、くれぐれも「褒めて相手を動かそう」と思わないことは重要です。
そうなると、部下はそれを心のどこかでキャッチし、「所詮、コントロールするために言葉をかけているのだろう」と部下に伝わるでしょう。
 
【エピソード】自分を許せない苦しさ
ある相談者の話です。その人は、社会的に評価の高い仕事に就いていますが、仕事や私生活で、自分が納得できる結果が出ないことに悩んでいました。
話を聞いていくうちに、その原因のひとつが、小さい頃の親の言葉にあったことがわかりました。
「あなたは良い子ね」
「良くできたね」
「良い点をとってきて賢いね」
と、彼の親は、いつも評価的な表現で褒めていたそうです。
性格の影響もあったのかもしれませんが、「他人が認める結果を出せないと納得できない」「完璧にできない自分を受け入れられない」という辛い状況で、これまで生きてきて、その枠組みから、なかなか自由になれないのです。
彼は今、「たとえ完璧でなくても、少々結果が悪くても、まずはそこから改善していけばよい」と自己を許し、まわりの人も許すために格闘中です。
培われてきた思考の癖は、なかなか変えられないものです。あせらず、あきらめず、意識していくことから変化していきます。

【ポイント】不平・不満を漏らしがちな人に接するときの考え方
1、敬遠するのではなく、「その人には変えたい現状があるんだ」と認識しよう。
2、彼らが「うまくいかない」と不満に思うのは、「うまくいく方法を潜在的に知っている」、「答えを持っている」からである。
3、彼らは「その問題を無視することなく、自ら能動的に考えている」とこちらが思うこと。
4、彼らは「改善へのエネルギーを持っている」と考えよう。なぜなら、彼らから改善したい状況を引き出すことができるのは、彼らが何とかしたいと思って
いる、もしくは諦めていない証拠だからである。
 
   

自立を促す14の習慣 その6

【私は、コミュニケーションの意図について、いつも意識を向ける】

人材育成の場面だけではなく、お得意先とのやり取り、同僚との間、友人関係、夫婦や親子の間など、
すべてのコミュニケーションには、何らかの目的があります。

情報を伝えるため、信頼関係を保つため、やる気を引き出すため、叱る(相手の行動を主体的に変えてもらう)ため…。
しかし、私たちは自分が生み出したいものとは別のものを生み出してしまい、
こんなはずではなかった!と悩みます。

とくに、自立した部下を育てるために上司が部下を指導する場合、
特に「コミュニケーションには意図がある」ことを意識しましょう。
自分が部下にとろうとしている行動が、「それが効果的か」「自分のねらい通りになるのか」など、
いつもその意図(目的)を確認、検証しながら関わることが重要です。

事例を少し出してみましょう。人材育成の場面と子育ての場面です。
 
【エピソード】上司は本当に、こんな結果が欲しかったの?
あるファミリーレストランでの、2人のビジネスマンの会話。
どうも上司と部下の関係で、部下が何か大きな失敗をし、それについて話しているようすでした。

上司は感情が抑えきれず、部下に対して怖い顔でしゃべり続けていました。
部下は何も話さず、うなだれたままの約40分間。

その後、上司はレシートを取って清算し、2人は出て行きました。
上司がお金を払っている間の部下の表情には、自己嫌悪や自己否定だけでなく、
上司へのわずかな憎しみまで見えました。彼はただ責められるだけ。きっと辛かったことでしょう。

上司は、部下に対して、
「もうこんな失敗をして欲しくない」「もっと良くなって欲しい」
「やる気をもってこれからの仕事を改善してもらいたい」と思い、忙しいのに時間をつくったはずです。

しかし、部下に生まれた感情は、
「失敗を責められている私はダメな社員だ」「昔の上司は良かった」
「自分はこの仕事に向いていないのでは」「社会人として能力がないのか」というものだったのでは…。

その結果、このコミュニケーションで伝わったこと、つくり出したものは、
「部下の自己否定」と「信頼関係のひび」です。

上司が、「部下に良くなってほしい」というコミュニケーションの意図をしっかり自覚していたら、
変えられない過去を責めず、責任を取るために今後の対応に目を向け、
何があれば今後同じ失敗がなくなるかをともに考え、
一番意気消沈している本人を勇気づける言葉をかけたかもしれません。
 
【エピソード】ほんとうの願望に気づいた母親
あるお母さん(A子さん)からの相談でした。
彼女の父親は開業医。立派な医者である父親を見て育ったA子さんは、
一人息子(B君)にも医者になってほしいと願っていました。
しかし、小学校6年生になって急に成績が落ち、
塾からは、このままでは医学部への進学率が高い地元の有名中学に進めない、と言われました。

彼女は、B君が勉強しやすいようにと、塾の送り迎えから宿題のスケジューリングなど、
彼女が出来ることは時間を惜しまず手をかけました。

5年生までのB君は、素直にA子さんのいうことを聞いてくれていたのですが、
最近は思春期に入ったこともあるのか、あまり話をせず、機嫌が悪くなると怒鳴り散らし、
彼女の不安は募るばかりでした。

相談に来られたA子さんに質問しました。
私:「あなたの子育ての目的は何ですか?」
A子さんの本当の願いに目を向けてもらうために、最初に必要な質問です。
A:「彼には、尊敬される人になって豊かな人生を送ってほしいです。しっかり自立してほしい」
子どもの幸せを願う気持ちでいっぱいのようです。
私:「尊敬される、自立した人って、どんな人なのでしょうね」
A:「心が広く、大切なことをしっかり見つめ、責任感のある、人のせいにしない人でしょうか」
私:「なるほど。では、今のA子さんの関わりは、B君のそれをはぐくむ関わり方ですか?」
A:「・・・・」(しばらく考えて)
A:「私のやってきたことは、それとは反対のことばかりだったかもしれません」
その後、少しずつA子さんは変わり始めました。
A子さんは、「今までの関わりは、自分の価値観に子どもをはめ込み、
彼の依存心を高めていたのかもしれない。この子の生きる道は、私が選ぶのではなく、この子が選ぶんだ」と気づいたのです。

彼女は、B君が責任感のある自立した人に育つために、ま
ず、本人の意見に耳を傾けました。彼の意思をしっかりと聞き、
自分のことを自分で考える力が伸びるように、彼の考えを尊重しました。
彼の生きる力を信じて、見守っていくよう努めました。

人の本当の願望は、目の前の現実に翻弄され、意識の下に隠れてしまうことがよくあります。
しかし、本来の意図に意識を向ければ、うまくいかない現実を効果的に変えていくことができます。
そして、得たい未来を手に入れることができるのです。
 
   

自立を促す14の習慣 その7

【私は自分の成功体験、情報を押しつけにならないように提案する】

私たち上司が、相手の自立を促すために関わるとき、その過程で、自分の経験があるほど、自分の成功体験や情報を教えたいと思うことがあります。
基本的に、相手が自分で考え、自分で選択するための支援が望ましいのですが、こちらに情報があれば、相手のために伝えたくなるのは当然でしょう。
「これをやったらうまくいきますよ」
「こうしてみたら」
という言い方をすると、ともすれば、「そこまで言われるならそうしてみよう」「言うことを聞こう」となります。
しかし、それでうまくいったとしても、「あの人のいうことは正しかった」となってしまい、当人に成功体験は得られません。うまくいかなかった場合は、「あの人のせいでこうなった」と好意があだになることがあります。そこには、自立とは逆の、他人への責任の転嫁(他責)が生じます。

自立を阻害しない提案のためには、以下の注意点が必要です。
●あくまでも、この情報は自分の場合の成功例なので、提案する許可を得る。
●提案したものは、できるだけ自分の価値判断を入れず、事実を伝える。
●提案への答えは、「はい」「いいえ」「それを聞いて自らの気づきのきっかけにする」の3通りあることを伝える。
【ポイント】相手に、どうしてもしてもらいたい場合

組織のなかで、部下などに「どうしてもこれをしてもらいたい」という場合は、誘導して仕向けるよりも、正面から「してほしい」「してください」と率直に言うことが大切。
そのとき、相手に指示・命令する内容が、「自分の価値観を押しつけていないか」を意識しながら、コミュニケーションの意図をしっかり持つこと。相手の自立を促したい場合、「自分で決めた」「誰かの意見だが、自分で選択して取り入れた」と思ってもらうことが重要。
 
   

自立を促す14の習慣 その8

私は「他人の能力、可能性は決められない」ことを知っている

人材育成を意識して、関わる側が、相手に対して「この人はこの程度だろう」と思ったら、そこから、お互いの信頼関係を築くことができず、自立を促す関係は難しくなります。
私たちは人から相談を受けたとき、相手の無限の可能性を信じるしかないことに気づきます。
というのも、当たり前ですが、私たちがどんなに心配しても、 人生を相手と代わることはできないからです。
どのようなことも、本人が自ら考えて対処していくしかありません。
本人がその問題を乗り越えていけるかどうか、私たちにはわかりません。
しかし人間には、驚くような力が眠っています。
それを信じて育てるすることで、相手からは限りない力が出てきます。

【エピソード】この人はこれくらいかな?と思ったら
セミナーなどで出会う企業のマネジャーのなかで、「本当にうちの社員はすごいんですよ!」と、心から話しているマネジャーの会社の社員は、生き生きとしています。
一方、「中小企業なので、どうせこの程度の人しか集まっていないから…」と話している会社の社員は、文句も多く、それぞれの社員の力が発揮されているとはいえない状態です。
これらは、関わる側が「相手をどう見ているか」の1つの結果だと思えます。
 
   

自立を促す14の習慣 その9

【私は過去と他人は変えられない、人はみな違う
     (人は見たいようにみるし聞きたいように聞く)ことを知っている】


過去と他人は変えられません。
にもかかわらず、私たちは、過去を悔やむことがあります。意識が変えられない過去に向き、「なぜあんなことをしたのか」「あれさえなっかたら」と思うことがよくあります。
もし、失敗の原因が相手の行動だった場合、相手に詰問すると何が起こるでしょうか。「仕方なかった」「そんなこといわれても」となります。相手は、逃げ場を失い、過去の自分を守るために弁解、言いわけを考えるようになります。
しかし、私たちがつくり出したい結果は、未来にあります。であれば、変えられる未来に焦点を当て、次に失敗しないための方法を見つける支援をすることが大事です。
また、他人も変えることができません。人は、催眠術やマインドコントロールにかかるか、本人が「こうしよう!」と思わないかぎり動かないのです。
しかも厄介なことに、私たちの人間関係の悩みのほとんどが、変えられない他人の行動が気に入らない、他人が思うように動いてくれないということなのです。
では、何があれば他人を変えられるのでしょう。
「この人になら話をしてもいいかもしれない」
「この人の話なら聞き入れてみよう」
「この人なら心を開いても安心だ」
と思ってもらえる関係づくりをするしかないようです。
 
【ポイント】子どもが親の言うことを聞くわけ
乳幼児に「泣きやみなさい!」と言っても泣きやまない。「言うことを聞きなさい!」と言っても、言うことを聞かない。
少し大きくなって知恵がつき、「親の言うことを聞いたほうがよさそうだ」と幼いなりに本人が思い始めたとき、言うことを聞いてくれるようになる。

【ポイント】
コントロールできるもの→自分の行為・行動 自分の思考 過去

コントロールできないもの→自分の感情・生理反応 他人の行為・行動 他人の感情・生理反応 未来
 
   

自立を促す14の習慣 その10

私は人間関係を破壊する7つの習慣を使わないように意識する
①批判する  ②責める  ③がみがみ言う ④文句、苦情を言う ⑤罰する   
⑥脅す  ⑦コントロールするために褒美でつる】


上記の7つの関わり方は、信頼関係を崩すものです。親子や家族なら、まだ許してもらえるでしょう。ところが、まったくの他人の場合、「嫌な人だなあ」となって、心を許す関係や協力する関係にひびが入ります。
相手の自立を支援するには、信頼関係は不可欠です。
上記のような関わり方で接すると、一見、相手が思い通りに行動してくれることもあるので、うまくいったと勘違いをしてしまうものです。しかしそれは、恐れや圧力から逃れるための行動であって、自ら本当に大切なものを見極め、自分からやりたくて行動するものではありません。

【エピソード】あなたは大丈夫?
研修や講演会などで、この7項目について話すと、多くの方が、
「こんな言葉ばっかり使っているなあ」
「これを抜きに関わるのは至難の技ですねえ」
とおっしゃいます。
わかっていながらも、私生活では往々にして使ってしまいます。思わず出てしまう感情と言葉。なかなか自制心は強くなりません。
でも、使ってしまった時は、相手に謝る。できなければ、反省することです。「使ってしまうと、信頼関係は遠ざかる!」と気づくだけでも、関係は良くなると思います。
会社や組織、家庭内でも、相手の「内からのやる気」によって未来に進んでもらうことが重要です。常に信頼関係をしっかりつくる関わり方を心がけましょう。
 
   

自立を促す14の習慣 その11

私は信頼関係を構築するために、いつも安心感のある安全な場を作り出す

前項の「人間関係を破壊する7つの関わり方」(自立を促す習慣 その10)で接しているかぎり、何でも話せる安全な場はできません。
何を話してもいったん受け入れられ、常に改善に向けて話し合える「場」。この基本があってこそ、相手は安心し、信頼して、関わる側に本音や話しにくいことも話してくれるようになります。

【エピソード】厳しすぎたマネジャーの事例
ある会社で、1年間にわたる研修をしたときのことです。
マネジャーの彼は、事業所のなかでトップの業績を目指していました。そのために、毎日一番早く出社し、たくさんの仕事をこなしていたそうです。
部下にも、自分と同じような仕事のやり方を望んでいました。少しでも気が緩んで見える部下には厳しく言及し、たしなめました。
朝礼でも、気になる部下には皆の前で注意、叱責していました。失敗をさせたくないという強い思いが、そうさせていたのです。
彼は私に、「甘いことを言っていたら、うまくいかない。見せしめで注意するのが一番効果的なんです」と言っていました。
そんな彼の部署がある日、会社にとって大きな打撃になる失敗をしました。彼の部下の1人がミスを隠し、それを隠蔽するために、より大きな困った事態を招いたのです。事情を聴いたところ、ミスをしたら責められ、みんなの前で批判されるので隠してしまったということでした。小さなミスが発覚したとき、まずはそれを話せるような「場」になっていたら、こんなことにはならなかったでしょう。
人間には間違いも、失敗もあります。それを改善するためには、まずは心を開いて話せる安全な「場」があるかどうかにかかっています。
 
   

自立を促す14の習慣 その12

私は相手を常に勇気付け、責任を取る権利を奪わない

未来に何が待っているのか、誰にもわかりません。
人は、未知なる未来に向かって進むとき、今までの成功体験や、過去のさまざまな経験が大きな力になります。たとえば、「あぁしなさい。こうしなさい」という指示ばかりを受けていたら、成功したとしても自己の体験にはなりません。もし失敗したら、指示した人の責任にしがちです。
相手の自立を願うなら、関わる側は相手の問題をしっかり認識しながら、任せる勇気が必要になります。
「自分がやるんだ!」という覚悟は、本人にとって大きなエネルギーになります。当事者意識を高めることで、新しい課題に取り組む力が湧いてきます。そのために、関わる側は、常に相手の力を信じ、良いところに着目して見守り、勇気づけることが大切です。

【エピソード】パートさんが変化した事例
ある製造業の工場でのエピソードです。
工場の清掃というのは、良い製品をつくるための基本です。しかし、パート社員が多く、なかなか徹底できていませんでした。清掃の時間を決めたり、朝礼で何度注意しても、工場のなかには屑が残っていました。
リーダーの彼は悩みました。しかし、研修を重ねて受講するうちに、彼は自己責任を明確にする大切さに気づきました。
そこで、清掃の持ち場を決めて、各自の責任を明らかにし、自分は口出しをしないことにしました。時間になるとすぐに帰ってしまうパート社員たちに、任せきっても大丈夫だろうかと思いましたが、気長に見守りました。
きちんと掃除をするようになった人、やっぱりいい加減にしている人。最初はぶつぶつと文句も出ていました。それでも、彼が1人ひとりと丁寧に対応するうちに、自分の持ち場をきちんと掃除して帰る姿が増えてきたのです。
そのたびに、彼は感謝とねぎらいの言葉をかけました。できない人には、決して責めることをせず、掃除をすることの本当の意味を伝え、あくまでも相手に協力することで掃除を進めました。
これによって何が起こったでしょう。そうです、
みんなが持ち場に責任を持ち、清潔な工場になったのです。全社のなかでも、美化ではどこにも負けない工場になったそうです。
 
   

自立を促す14の習慣 その13

私は失敗したと感じることも、常に学びの種に変える

過去は変えられません。そして、失敗は、過去のものです。
いくら悔やんでも、どうしようもありません。
失敗したと思って落ち込み、自信をなくしている相手に対して、どのような関わり方ができるでしょう。
まず、失敗した過去を「どのように活かせるか」を引き出しましょう。
「失敗から学べたこと、得られたことがあるとしたら、それは何か」を引き出すことが重要です。
そして、未来はまったく未確定であり、無限大ですから、本人の「今ここでの選択」で、どのような未来でも手に入れられることを伝えましょう。

【ポイント】過去は何のためにあるのか
★成功体験を思い出すため
★次にうまくいくためのリソース(資源)
 
   

自立を促す14の習慣 その14

私は、いつもどのような時も、自分が世の中に必要な存在であることを知っている

日々の生活のなかで、自分自身が歯車のひとつのように感じることがあります。
「私でなくてもいいのかもしれない」
「私一人くらいいなくなっても、一時的に不便になるだけで、どうせすぐに元の状態になる」
というように。
誰かに必要とされることで自分を肯定していると、それを見失ったとき、大きな失望に襲われるかもしれません。
実際のところ、自分が本当に必要とされているかどうかなど、他人の気持ちを知ることはできません。ところが、一方で人は繋がりながら生きていきます。お互いに必要とし合うことで、生きる力が強くなるのです
人には、〈誰かを愛したい。愛されたい。誰かと一緒にいたい。繋がりたい〉という「愛と所属の欲求」があります。とすれば、「愛されたいなら愛すること」です。どこかの宗教の本にでもあるような言葉ですが、自分から相手を尊重していくと、相手も自分を尊重してくれるようになり、良い関係が築けます。そうして、この欲求は満たされていくのです。
まず、自分を大切に思うことから始める。するとそこに、自分以外の人も尊重できる心の幅が生まれます。そして、まわりの人を尊重することで、その人たちも自分を大切に思ってくれるでしょう。それが自分の満足に繋がります。こうして、素敵なスパイラルが始まっていきます。

【エピソード】逆境でも自己肯定を…
いじめ問題で子どもの痛ましい自殺が増えています。
ある小学校の道徳の授業でお話ししたときのこと。
授業の最後に、「誰かに愛されたい!人はみなそう願うものです。でも、たとえ誰にも愛されていないと、自分が感じる瞬間があったとしても、自分だけは自分を愛してあげたいね」と伝えました。
ぎりぎりの状態になったとき、自己肯定ができたら、悲しい事件は起こらないかもしれません。
 
   

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