人材育成で欠かせないモチベーションについてお話したいと思います。
モチベーションについては、いろんな先生が語っていますが、今まで、私が人材育成研修や講演などでお伝えしている内容をモチベーション=やる気としてお伝えしようと思います。
やる気とは、目の前の目標や、問題・課題に対して自ら取り組む気持ちと捉えてみましょう。
「やる気を出しなさい!」と部下を叱咤激励しても、なかなか出してもらえず、そう言われた本人も、わかっているのにやる気になれないのが困り者です。
実は、やる気とは、直接自分でコントロールできない「感情」と「生理反応」の間にあるので、なかなか自分では思うようになりません。
自分自身で出来ないものを、赤の他人が何とかしようとするので、さあ大変です!
その他人のやる気をあえて出してもらうためには、
唯一部下自身でコントロールできる「思考」と「行動」を変えてもらう必要があります。
生きている間ずっとやる気のない人はあまりいないので、時が経てば、案外やる気は復活しますが、結果を求められる現場や、期日が迫っている状況では、そんなに待ってはいられない。何とか頑張って欲しいと周囲は思うわけです。そこで、今回は、
部下のやる気を促すためのコツを考えましょう。
① 目の前の目標や、問題に対して、やる意義を見出すお手伝いをする。
これをやり遂げたら、自分にこんな影響を及ぼすかもしれない。と、やる意義を感じることが出来ると、エネルギーが上がります。「やる気を出してやりなさい!!」どんなに強く言い放っても、本人が心からやっていこう!と思わない限り、その言葉は逆効果です。人間関係を破壊する7つの習慣の中にある「責める、罰する、脅す・・・」などを使ってしまうことも多くありますが、それをしても、その瞬間だけの行動で、やらなければならないことへの本質的モチベーションにはつながらないばかりか、人間関係を壊してしまうことにもつながる危険性があります。
遠回りのようですが、じっくり本人と目の前のことの意味、意義を見出す会話をすることが、ひとつの選択肢として重要でしょう。
② 少しの変化でも前進すると思えるように、出来ることに目を向けてもらう。少しでも出来た!と感じられるように促す。
大きな壁にぶち当たると、大きな変化をしなくてはいけないと言う思いに駆られます。人は本質的に変化には抵抗感があり、変化には勇気が要るので、やる気を出すには、小さいことからでもいけると思うことが重要です。そのためには、まずは本人がこれならできそうだ!という小刻みな目標を探し、後押ししましょう。
③ 自己肯定感が高まるような関わりをする。
自己否定に入っている場合、その根底にある気持ちを引き出すことは重要です。例えば、「なぜ、こんなに自分は出来ないのか・・・」と考えているという事は、出来るようになりたいと望む自分がいる。それを自覚できたら前に進めみやすくなるので、だめじゃないかと部下を見るのではなく、前に向かおうとするからこその自己否定だと伝えてみます。可能性はゼロではないのです。信頼している気持ちを、関わる側が持ち、それを伝えてみましょう。
④ 共にやろう!一人じゃないんだという意識を持ってもらう。
チームで結果を出すために本人が結果を出さなければならないことは当たり前ですが、上司が少しでもバックアップしてくれている。見守ってくれているという意識があれば、やる気も甦ってくるものです。「一緒にがんばろう!自分のできることは何でも相談に乗るよ!」こんなことを言われると、部下も頑張れることでしょう。上司も人の子ですから、万が一、そんな気持ちになれないこともあるかもしれません。しかし、自分の役割、生み出したい結果を考えて、そんな部下とどのような関係を作ることが結果につながるか、一度はじっくり振り返りたいものです。
⑤ 思い切って気分転換。
なんだか短絡的ですが、食事や飲み会に誘ってみたり、お休みを取ってもらったり。案外、そんな環境を作ってあげることも良かったりします。本音が出て、心のゴミの整理ができたらしめたもの。
誰でも前に進めたいのに進めないときがあります。そんな時、お掃除をするだけでやる気が出ることもあるのです。
まだまだヒントはありますが、以上のような視点でコミュニケーションをとることが部下のやる気を促すためには重要です。周りの人のやる気を促す前に、まずは自分だ!そんな声も聞こえてきそうですが、
周りの人への影響や、変化を目の当たりにすると、案外自分のやる気も上がったりするかもしれません。
是非試してみてください!
階層別研修(係長)の風景です。
代表 喜田菜穂子